エンジンのカスタムといえばボアアップ

ボアアップとは?

カスタマイズの中でも、エンジンをいじる作業は上級者向けのものと言えるでしょう。
エンジンのカスタムにはいくつかのタイプがありますが、より一般的なのはボアアップです。

ボアアップというのは、ボア径、つまりシリンダーの直径をサイズアップすることを指します。
こうすることで、燃焼室の大きさが広がりますので排気量が上がります。
排気量が増えるとその分パワーが出ますし、加速力もアップします。

ボアアップするメリット・デメリット

ボアアップして排気量がアップすることで、一つの上の車両区分の基準に沿った走行ができるようになります。
たとえば原付一種の50cc以下をボアアップすれば、いろいろな制限が解除されます。
最高時速を60kmまで高められますし、最大積載量を60kgにできます。
どちらも原付一種の2倍の基準となりますので自由度が広がりますし、原付一種に必要な2段階右折もしなくて済みます。

原付二種をボアアップすると、高速道路を走れるようになります。
こうした制限が解除されることに加えて、加速感のアップやトルクの上昇を感じることができて走る楽しさが増すというメリットも味わえます。
パワーアップしても、同じボディーですから同じような操作で運転できるのもメリットでしょう。

一方でエンジンには負担がかかりますので、寿命が短くなる恐れがあります。
またパワーが出る分、エアクリーナーやマフラーなどの吸排気系、ブレーキなどの足回りもそれに合わせて交換する必要が出てくることもあります。
さらに、車両区分が変わるためその手続きをする必要が生じますし、保険や税金なども今後高くなります。

ボアアップしたのに申請をしないと、不正改造や税金逃れの作業と見なされてペナルティーを科される可能性があります。
排気量が大きくなったら、必ず所定の届出をしましょう。

ボアアップのやり方について

具体的な作業としては、まずシリンダーの内部を削って物理的に室内を広くする方法があります。
特殊な金属切削工具を使って削っていき、最大で10mm程度シリンダーを薄くします。
その際に均等に削っていく必要がありますので、かなりの技術が求められます。
技術のある方なら自分でもできるかもしれませんが、たいていはプロに頼んで作業してもらいます。

もう一つの方法は、販売されているボアアップキットを購入してシリンダーとピストンを交換するやり方です。
こうしたキットは、純正パーツよりもボアが広くなるように設計されています。
エンジンをばらしてからシリンダーなどを交換するだけですので、シリンダーの加工作業はしなくて済みます。
実証済みのキットを交換するだけですので安心ですし、作業しやすいのがこの方法の良いところです。

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