「冬の間は乗らないから…」「しばらく出張で不在になる」そんな理由で、愛車をしばらくのあいだ眠らせることもあるでしょう。
でも、バイクは放置するだけでは確実に劣化してしまう乗り物。適切に保管しないと、次に乗るときに「エンジンがかからない」「錆が出た」などのトラブルに直面する可能性があります。
今回は、長期保管前の準備・保管中のメンテナンス・再始動時のチェックポイントを詳しく紹介します。
保管前にやっておくべき準備
長期間バイクを保管する際、まず大切なのは「できるだけトラブルの芽を摘んでおくこと」。以下の準備を行うことで、再始動時のストレスを大幅に減らせます。
燃料系の対策を
ガソリンは時間とともに劣化し、キャブレターやインジェクションに悪影響を及ぼします。
- キャブ車:燃料コックをOFFにし、キャブ内のガソリンは必ず抜く
- FI車:満タンにしてガソリンタンク内の錆を防ぐ(ガソリン添加剤を入れるとベター)
バッテリーは外して保管
放置中にバッテリーが自然放電してしまうと、次の始動ができなくなります。バッテリーは取り外し、室内で保管するのが理想です。
また、可能であればメンテナンス充電器(トリクル充電器)に繋げておくと、長期間でも安心です。
洗車&チェーンメンテナンス
汚れや湿気はサビの原因になります。保管前にしっかり洗車をして、水分をしっかり拭き取った後にチェーンへ注油しておきましょう。
タイヤと地面の接触対策
タイヤは長時間接地したままだとフラットスポットができることがあります。
センタースタンドやメンテナンススタンドを使うか、空気圧を少し高めにしておくと安心です。
保管中の注意点
保管期間が1ヶ月以上になる場合、以下のようなポイントにも注意しましょう。
- 直射日光・風雨を避ける場所に保管:できれば屋内、難しい場合は防水バイクカバーを使用
- カバー内の湿気対策:除湿剤や通気性のよいカバーを選ぶとサビ予防に有効
- 防犯対策も忘れずに:長期放置車両は盗難リスクが高くなるため、ロックやアラームも装備しておくと安心です
再始動前に行いたいチェックポイント
久々にバイクに火を入れるときは、以下のようなチェックを必ず行いましょう。
バッテリーを装着し、電圧確認
電圧が12.5V以下なら充電を。弱った状態で無理に始動させると、セルモーターやECUに負担がかかります。
タイヤ空気圧と劣化チェック
タイヤは自然に空気が抜けるため、出発前に必ず空気圧を確認しましょう。ヒビ割れや硬化が見られる場合は、交換を検討します。
ブレーキの動作確認
長期保管でブレーキが張り付いていることがあります。動作が渋い場合は無理に動かさず、分解・清掃を。
オイル・冷却水のチェック
エンジンオイルや冷却水が劣化している可能性もあるため、色や臭いに違和感があれば交換を。
きちんと眠らせ、スムーズに目覚めさせるために
バイクは生き物のようなもの。放置すれば劣化しますが、ほんの少しの気配りでコンディションを保てる乗り物でもあります。
「しばらく乗らないからこそ、今できることをしておく」この心がけが、次のライドを気持ちよくスタートするための一歩です。
愛車と長く付き合うために、保管もライダーの大切な仕事として取り組んでみてください。